※こちらの記事は「遥かなる時空の中で5 (PSP版)」のゲームシステムやメインシナリオの感想について書いています。
また、一部キャラのシナリオのネタバレが含まれています。
感想を書くにあたって今作に対して批判的な内容が多く含まれているので、
作品に対する批判的な意見は見たくない or 不快と思う方はブラウザバッグをお願いします!!
かつてナンパ野郎との会話で、主人公の名前と誕生日を設定する乙女ゲームがあったでしょうか。
少なくとも私は知りません。(;^ω^)
ずっとゲームのレビュー記事が書けていませんでしたが、今回は以前予告していた遥か5をプレイした感想を語りたいと思います。
今作の評価をネットで調べると、やたら「主人公が酷い!」という意見が多く見られます。
なので「主人公の行動や言動をスルーすれば楽しめる作品なのかな?」と思っていました。
ですが…いざ自分でプレイしてみると、個人的には言われている程主人公は酷くない思いました。
あくまで身構えてプレイしていた割には…という感じですが。
というか…主人公は他のキャラに比べればまだマシでした。
では、何故主人公はプレイヤーから嫌われてしまったかについては長くなりそうなので、
私なりの考察?感想?を以下の記事で書いています。
今作をプレイした感想は…
乙女ゲーを偏見まみれで作ったらこうなる
…とどうしても思ってしまうガッカリゲーでした。
また、今作はキャラやシナリオ&ゲームシステムに至るまで、全てが過去シリーズの劣化版です
開幕から酷評してて申し訳ありませんが、酷い点をざっくりとまとめると…
- 遥か5独自のテーマが伝わりづらい
- 乙女ゲー向けじゃないシナリオ&内容がつまらない
- ゲームシステムが過去作に比べて大幅に劣化
- 主人公側に感情移入が出来ない
- モチーフにしている歴史上の人物に対する敬意が感じられない
…という印象です。
なぜそう思ったのかを、これから語りたいと思います。
書きたい事を書いていたらすごく長くなってしまったので、興味ない箇所があれば目次から飛ばして読んで下さい<(_ _)>
PSP作品をディスプレイでプレイしてみたい方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。
遥かシリーズの記事を読みたい方は、こちらの記事をどうぞ!
「遥かなる時空の中で5」について
スペックについて
スペックはこんな感じ。
メーカー:コーエー
人数:1人
発売日:2011年2月24日
セーブ機能&テキスト機能について
セーブ機能は遥か4と同様、通常セーブとクイックセーブ機能があります。
また、環境設定ではウィンドウ(テキストが出る場所)の薄さ調整や、
主人公の顔グラのオンオフ機能など、環境設定だけは進化している印象です。
また、もしプレイするなら、事前に「仲間の行動」の欄を「選択」に変更しておきましょう!
バトルパートでの遊びやすさが段違いになります!!(この機能知らなくて、序盤プレイにくくかったです)
引継ぎ機能について
今作では、前作である「遙かなる時空の中で4 愛蔵版」のセーブデータがあると、
序盤から龍神の力を各300ずつ貰えたり、四神イベントが起こしやすくなります。
この特典は、別に「遙かなる時空の中で4 愛蔵版」を全クリしなくても大丈夫みたいです。
ですが…正直引継ぎが有っても無くても、ゲームが進行しやすい印象はないので絶対必要!という感じはありません(;^ω^)
あらすじについて
wikiにあらすじが無かったので、ざっくり説明したいと思います。
主人公の蓮水ゆき(デフォネーム)、そして幼馴染の祟・瞬・都の4人はイギリスから日本に帰国するべく空港に居ました。
4人は日本行きの飛行機に乗りますが、飛行機が突如墜落してしまいます。
主人公が目覚めると飛行機の形跡はなく、見覚えの無い服装で外に居ました。
一人で幼馴染3人を探そうと歩いていると、突然妖魔の襲撃に合います。
間一髪の所で助けたのは…あの坂本龍馬でした。
何故主人公一行は異世界に来てしまったのか、現代は今どうなっているのか。
今作は異世界と現代、二つの世界を主人公が命を賭して救う物語です。
「遥かなる時空の中で5」の良い点
設定システムが進化している
これは前述したので割愛します。
セーブシステムが便利だった
一部キャラのエンディングスチルが映ってしまっているので、モザイクにしています(;^ω^)
セーブデータの、左上に「NEW(番号)」と表示されています。
これは1が一番最近セーブしたデータである事を表記しており、最大5まで表示されます。
これにより、「あれっ?最後にプレイしたの、どのセーブデータだっけ?」と思った時、
日付と時間を照らし合わせる手間が省かれて便利でした。
1周目終盤の展開は個人的に好き
個人的に、今作のオリジナル展開は好きな部類でした。
過去作では「龍神の巫女が京の世界を救う」というのがどのシリーズでも共通していました。
なので、途中まで「ハイハイ、いつもの遥かシリーズね」と思いながらプレイしていたので、
1周目終盤の流れは個人的に非常にワクワクしました。
ですが、それ以外が…うん。という感じです。
序章の展開のままオリジナリティを前面に出し、3倍くらいテンポ良くシナリオを描いていれば、
人を選ぶけど私は嫌いじゃないと評価していたと思います。
「遥かなる時空の中で5」の悪い点
遥か5独自のテーマが伝わりづらい
あくまで私の主観ですが、「遥かなる時空の中で」シリーズでは各ナンバリングごとに主軸となるテーマがあった印象です。
- 八葉抄 ⇒ 切ない恋愛&性格が正反対の八葉達の絆を結ぶ物語
- 遥か2 ⇒ 味方 or 敵側となったキャラとの恋愛&政治的対立
- 遥か3 ⇒ 主人公が戦い、時空を超えてキャラの運命を変える物語
- 遥か4 ⇒ 定められた運命に立ち向かう物語
…という感じで、シリーズものではありますが各作品で独自のテーマに沿って物語が作られているので、
どのナンバリングから始めても1本の作品として楽しめました。
ですが、遥か5では過去シリーズで感じられた、独自のテーマ性が感じません。
一応、「大切な人を、この命で守る。」というテーマが提示されています。
要するに、主人公は自分の命を代償に時空を巻き戻し、キャラ達が死なない様に奮闘します。
ですが…それ遥か3でもやったじゃん
命を賭けるという部分は違いますが、それなら主人公やキャラが悪戦苦闘する姿が見れたなら個人的には満足出来たと思います。
しかし、問題は「この命で守る」というテーマに反してシナリオ内で悲壮感は皆無な事です。
エンディングを迎えても、主人公が弱るどころか普通にピンピンしていて、攻略キャラとイチャつけるくらい元気です。
例えば、主人公か攻略キャラが死ぬ結末がある or エンディングを迎えても余命が僅かなど、
命を削った事で後遺症が表現されていればこのテーマも活きていたと思います。
ですが、実際には気絶や眩暈程度で、無理が祟って主人公が死ぬバッドエンドも用意されていません。
なので、本当にただの設定だけ…という印象が最後まで拭えませんでした。
乙女ゲー向けじゃないシナリオ&内容がつまらない
遥かシリーズは、恋愛要素のありつつも、異世界で探索やバトルなどのRPG要素が合わさっている事で人気の乙女ゲーです。
今作も、上記の要素をどんな風に表現するのか期待していたんですが…
今作は遥かシリーズ…というか乙女ゲーをプレイしている感覚が皆無でした。
何故かというと…
今作は攻略キャラの殆どが、序盤から主人公に惚れてるからです
これはあくまで個人の意見ですが…乙女ゲーでもギャルゲーでも、
恋愛シュミレーション系のゲームは、攻略したいキャラと仲良くなって恋に発展する過程を楽しむゲームジャンルだと思っています。
勿論、全てとは言いませんが(;^ω^)
ですが…
今作は、異世界出身の龍馬さんが出会った瞬間「お嬢」と呼んで主人公に友好的に接してきます。(何で龍馬さん土佐弁じゃないの?)
さらに、異世界出身の福地桜智さんも出会ったばかりなのに「ゆきちゃん」と慕ってきます。
このように、初めて異世界に来た筈なのに、顔見知りが居る or 既に惚れているキャラが
居ることで異世界に居る感覚が皆無です。
おまけに、攻略対象キャラクターは始終「蓮水ゆき」という一人のキャラクターに惚れてる印象です。
ゆきちゃんが時々選択肢に従わないので、余計プレイヤーが主人公に感情移入しづらくなっています。
よって、乙女ゲーというより…逆ハーレム系の恋愛ノベルゲームをプレイしている感覚になってしまいます。
以上の事から、遥かシリーズのナンバリング作品をプレイしている全く感じがしません。
1)1周目が異常に長い&各キャラの個別√は短い
今回は遥か2のように、八葉が敵対勢力同士だったりと面識が無かったりと関係性がバラバラです。
なので、出会いのシーンに尺が取られてしまうのはしょうがないとは思います。
ですが、遥か2と比べるとダラダラ話しているシーンが多いせいか、
シナリオのテンポが非常に悪く感じてしまいます。
また、「ゆきの章」は合計11章あるにも関わらず…
攻略キャラは大体3章で終わります
また、過去作では「今どんな状況で、どんな相談をしているのか」、「これから主人公サイドはどう行動するのか」…という点が、
キャラ達が政治的な話をしていても、プレイヤー側にも分かりやすい文章で構成されていました。
それに比べて、今作では攻略キャラの√に入っても上様が~、会合が~、陽炎が~と、
色々な事件がメインシナリオに詰め込まれているので、話の要点が入ってきません。
また、今作は遥か4同様、途中に他のキャラを攻略しないと別のキャラの√が解放されない仕様になっています。
なので、「全クリ面倒だから好きなキャラだけやろう!」…というプレイをさせてくれません(#^ω^)
2)新要素がシナリオのテンポを悪くしている
一応、過去シリーズの差別化となっている要素は…
- 元居た世界と京の世界を行き来出来る
- 二つの世界を救う
- 怨霊に加えて「陽炎」(志半ばで亡くなった人がなってしまう怨霊)の対処
という点です。
ですが、この3つの新要素が全然面白くないです。
今作では、砂時計の砂が流れ落ちるまで異世界に行ける…という新要素があります。
ですが、元の世界は主人公と幼馴染組の家が残っているだけで、あとは怨霊がうろつく
(でも敵は出て来ない)砂漠のど真ん中のような場所です。
2回目に戻ってきても明確な変化がないので、四神を封印した達成感や変化が感じられません。
また、ピンチになるとすぐに現代に戻るのでシナリオに緊張感がなく、ただ話のテンポを悪くしているだけになっています。
3)陽炎も怨霊も敵としてはあまり存在が変わらない
武士がゾンビみたいになった状態の陽炎という敵が増えましたが…ぶっちゃけ普通の怨霊と大して変わりません。
遥か1の四天王ポジの鬼達や、遥か2の中ボス的な怨霊のような立ち位置だったら怨霊と分けた設定が活きたと思います。
または、チナミ君のお兄さんが言ったセリフから八葉の選定基準についてもっと掘り下げてくれれば面白かったのに、その後特に追及なし。
これもただ出しただけ感が否めませんでいた。
ゲームシステムが過去作より大幅に劣化
1)移動システム
今作は、2Dになった主人公がマップをトコトコ歩いて移動します。
ですが、昼間歩いている筈なのにマップが全体的に若干暗いです。
迷宮…クソな操作性…うっ、頭がっ!
また、マップで場所を確認出来ますが、遥か4であった自動移動システムが削除されています。
加えて、「○○へ行こう」的なテキストと、「次はここへ行ってね」的な
メインシナリオが進行するマスを地名でしか教えてくれないので、いちいち×ボタンを押して目的地を確認しないのが面倒です。
別にイベントは現在地の近くの場所で発生するから良いんですが…PSP&2Dグラフィックに戻ったなら、
いっそ1度行った場所は移動スキップ機能くらいあっても良いと思うんです。
なのに、何で同じゲーム機&前作で出来た事が出来なくなってるんでしょうか(´・ω・`)
前述の×ボタンで確認が面倒と書きましたが「だったら歩き回って探せば良いじゃん」と思った方も居るでしょう。
ですが、無暗に探索をしたくないのは…砂時計システムがあるからです。
画面の右上に砂時計がありますが、その左横に285/332と表示されています。
これは例えるなら…万歩計の逆バージョンみたいなシステムです。
どういう事かと言うと、例えば1歩歩くと…右上の砂時計の数値が減っていきます。
上の数値は歩くだけでなく、メインシナリオでも40くらい消費されてしまいます。
0に近くなると、荒廃した現代へ戻る事で回復します。ですが…
今回、「命のかけら」システムによって主人公が時を遡るとかけらが消費されてしまいます。
命のかけらが1つだけになると、現代を移動出来ず章が進められず、また1から同じ章をやり直す必要があります。
全部削ったら主人公が死ぬバッドエンドが見れると思ったけど用意されてませんでした、ちっ(・д・)
この砂時計システムと命のかけらシステムが移動の足を引っ張ています。
探索&レベリングが非常にやりづらく、またメインシナリオでも砂時計の数値が大量に消費されるのであまり寄り道が出来ず、
一本道を歩いているような感覚でゲームが進みます。
2)雑魚敵とのエンカウントシステム
雑魚敵とのエンカウントは二つあります。
1つは上の画像の清水寺のような固定形式、もう一つは右下に居る赤と黄色の光のようにふよふよと自由に移動する形式です。
移動形式の敵は、何故か近づくと此方に寄ったり離れるので追いかけなくてはいけなくなり、地味にストレスです。
また、攻略キャラの絆上げの為に戦闘に注力していたら、攻略したいキャラや
メインシナリオを見る為の砂時計の数値が足りなくなった…なんて事も多く、地味にストレスでした
3)隊列変更について
今作では4同様、主人公+3人でバトルが開始されます。
シナリオバトルだと、事前に隊列を変更出来る点は4と同じですが…選択システムが不親切設計です。
どう不親切かというと、4だと選択して〇ボタンをおすと
「この編成で戦闘を開始しますか?」というテキストと共に〇ボタンを押すと戦闘が開始されましたが…
今作はキャラ一覧下にある「配置決定」を選択して〇ボタン or PSP本体の右下にある「START」ボタンで「即決」しないと、
事前に編成を変えても変更前の状態で戦闘がスタートしてしまいます。
なので、4のノリで操作すると編成操作を間違える事が多々あります。
…なんで〇ボタンを隊列変更リセットボタンに設定にしたし(´・ω・`)
4)バトル画面がしょぼい
先に書きますが、唯一遥か5で良いと思った部分は環境設定の進化と、バトルにおいてオートバトルが可能になった点です。
絆上げが大変なので、雑魚敵との戦闘においては結構便利でした。
ですが…
1と2では、自分がキャラの後ろに居るような配置でキャラを応援したり、
3ではアニメーション風のグラフィックで主人公が戦ったり、
4では、主人公がアニメーションや3Dグラフィックでキャラと一緒に戦ったりと、
ナンバリングごとに前作より改善された点があり、個性的な戦闘システムがありました。
ですが、今作では…。
バストアップの立ち絵がずらっと並ぶだけで、何だかしょぼ…簡素になりました。
また、敵も微動だにせず、味方キャラ側も攻撃エフェクトが出現するだけなので、
戦闘が全く面白くありません。
プレイ当時は不満を零しましたが、此方を振り向くと応援や戦闘の結果に寄って反応が違ったり、
連携技を発動するとアニメーション演出があった初代遥かの「遙かなる時空の中で ~八葉抄~」の方がまだプレイしてて面白かったです。
5)連携技を出す時のカットイン演出もしょぼい
一応連携技でカットイン演出もありますが…
遥か4
遥か5
「別に似たり寄ったりじゃん!」と思う方も居るでしょう。
ですが…前作である遥か4のカットイン演出は、キャラと主人公が一緒に詠唱している感があって格好良さがありました。
一方、今作は詠唱がないので「とりあえずカットイン演出入れておきました」感があって残念な出来でした(´・ω・`)
前述した通り、今作ではオート戦闘機能が追加されたり、主人公+八葉の技をカスタマイズして、
自分の属性以外の技を持たせられるようになりました。
…ですが、正直に書かせてもらうと、
- オート戦闘機能 ⇒ スキップ機能入りで普通戦った方が早く終わる
- 技のカスタマイズ ⇒ 連携技を出す場合、その八葉が対応しているか確認する作業が入るので面倒。遥か3では合体技を1ポチで発動出来たから余計面倒の感じる
…という印象です。
6)連携技がボタン押すだけ&どの属性の連携技が出るのか分かりづらい
また、追撃や合体技がありますが、舞一夜では時間制限以内にコマンド入力する事で追撃
が出来たので多少ゲーム性がありました。
ですが…今作では〇ボタンをぽちっと押すだけで発動するのでゲーム性が薄いです。
さらに、カットイン技で発動出来る技が戦闘中表示されません。
戦闘中、連携技の対象になっている技は点滅するので、それを適当に押せば一応連携技は発動しますが…
連携技の種類が無駄に多いので、いちいち覚えてられえません
7)復興システムが邪魔して、キャラの能力が強化しづらい
一応、図書館や遊園地など、龍神の力を与える事で施設が復興していきます。
ですが…復興の為にされる要求される白龍の力が異常に消費数が多く、中々白龍の力をキャラの個別ステータスに振る事が出来ません。
また、攻略キャラや主人公が「この場所、懐かしいね」と会話が弾んでいても、
キャラと復活した施設の思い出や情報は具体的な情報として開示されないので、プレイヤー側は「知らねぇよ。でっ?」という感想しか湧きません。
復興を進めると何かアイテムが貰えるわけではないので、只の作業と化しています。
8)各キャラの術の強化システムが簡略化され過ぎている
過去作では、札を装備させたり、ステータスを上げることで主人公とキャラを強化出来ました。
ですが、今作ではレベル上げ形式になっており、特技は戦闘回数を重ねる事でレベルを上げるポケモンみたいに術を後から覚えていきます。
それは別に良いんですが…
過去作では各キャラごとに攻撃力や耐久力など、強化出来る能力がたくさんありました。
ですが、今作は…。
各キャラ3つしか個別に強化出来ません、しょぼっ!( ゚Д゚)
同じPSP作品なのに…どうしてこうなった
主人公側に感情移入が出来ない
1)出会うキャラの9割が主人公を肯定 or 褒め称えるので見ていて怖い
遥か3のレビューで、望美ちゃんに対する周囲の過度なage描写がプレイ中に鼻につくと文句を言いました。
ですが「遥かなる時空の中で3」が可愛く思えるレベルで、
隙あらば周りが主人公をちやほやしてくるので、主人公が好きでないとゲームをプレイし続けるのが非常にキツいシナリオになっています。
今作での土方さんはサブキャラなんですが…隙あらば主人公を口説くだけのナンパ野郎と化してて地味にショックでした(´・ω・`)
そして、少しでも主人公に疑問や説教 or反論しようものなら苦言を呈したキャラが(主に都に)きつく糾弾されます。
相手に悪意があるなら100歩譲って怒るのも分かります。
ですが、例え主人公が怒られて当然の内容でもキレられます。
マジで怖い((((;゚Д゚))))
2)個別シナリオに入ると急にイチャつきだすキャラが多数
乙女ゲーをプレイした事が無い方は…
「乙女ゲーって、プレイ中はずっとイケメンに甘い言葉囁かれるゲームじゃないの?」と思う方も居ると思います。
ゲームの方向性にも寄りますが、そんな事はありません!!
きちんと攻略キャラと主人公が恋をしていく過程を丁寧に描写している乙女ゲーは沢山あります。
何故こんな事を急に書くのかと言うと…今作はライターは上記の様なイメージでシナリオを書いたのでは?と思ってしまうくらい描写が酷いからです。
過去作では、恋愛感情に変わる描写をきちんと描いており、スキンシップはあれど頬にキスや抱きしめたりする程度でした。
しかし…
今 で は ご 覧 の と お り だ ( 絶 望 )
こんな感じで、共通シナリオでは知り合い程度の距離感だったキャラが、
個別シナリオに入ると主人公の腰を触って引き寄せたり、大事な会議中にナンパしたり、
急に結婚秒読みレベルでイチャつき出します。
「あれっ?どこかで重要なシナリオ見損ねた?」と思ってしまうレベルで
とにかく起承転結の「承」と「転」が完全に抜けたシナリオなので、キャラと絆を深めて恋愛に発展したという感覚は皆無です。
いくら乙女ゲーとはいえ、未成年相手にベタベタと積極的にお触りしだす成人キャラは見ていてキツい(>_<)
これで主人公も満更じゃなかったら、100歩譲ってバカップル的な印象でギリギリ見れましたが…
主人公は上記に様にキャラに迫られると大抵迷惑そうな顔をしているので、
攻略キャラが発情して主人公にセクハラしているようにしか見えません。
遥か5の高杉さんが好きな人には申し訳ありませんが、高杉さんは行動が始終セクハラ親父臭くて私は苦手でした。
また、メンタルを砕かれて記憶喪失になった攻略キャラが居たかと思ったら…
ドラマティックな演出もなくあっさり記憶が戻ったりと、恋愛シナリオの粗がとにかく目立ちます。
どうしてこうなった(;´Д`)
3)プレイヤー側から見ると敵側のキャラの境遇の方が同情してしまう
今作唯一のオリジナル部分なので具体的には伏せますが…とある敵キャラが居ます。
そして大抵「それな。」とプレイヤーの気持ちを代弁するような正論をぶつけてくれます。
ですか、何だかんだ救済するシナリオがあるのかと思いきや…
- 恋愛√の未実装(続編で実装)
- 本編では冷やかし程度しか登場しない
- 瞬√で登場するけど胸糞展開
このような登場させたわりには雑な扱いから、主人公一行よりも敵キャラに同情してしまうプレイヤーが多い印象です。
なんだか彼を見ていると…俺屍2の清明さんを思い出します。
彼も敵ではありましたが、ヌエコの暴挙の被害者だし(;^ω^)
4)個人的に主人公より○○の方が嫌い
ネットのレビューだと「主人公が酷い」と叩かれています。
今作の主人公を一言で言い表すなら、無条件で溺愛されてしまう鈍感系(魔性)ヒロイン…って感じです(;^ω^)
あくまで私は叩く程嫌いにはならなかった…というだけで、「うーん…」と思ってしまう行動や描写はいくつかありました。
ですが、個人的には1週目に比べれば、2週目以降の主人公は1週目の悲劇を避ける為に
頑張ってるので、ギリギリ軌道修正はしている方だと思えました。
私としては、主人公より…
幼馴染キャラの都の方がずっと苦手…というか大嫌いです。
これでも一応女の子で、黒龍の巫女です。
ですが、常に主人公の身の安全が最優先で考えており、例え主人公の行動に落ち度があっても主人公を擁護し、
攻略キャラと主人公が良い雰囲気になると、何故か邪魔して来る場面もあります。
…これ乙女ゲーなんですが(;^ω^)
周囲から見ればイチャイチャしている男女に対して、外野が嫉妬して邪魔する展開は流石に古臭いです、90年代の漫画か!!(# ゚Д゚)
また、歴代の黒龍の巫女と比べるとかなり性格が悪いです。
会話に首を突っ込んできたと思ったら、すぐイライラして喧嘩を吹っ掛けてきます。
瘴気に近づくと繊細な黒龍の巫女ムーブかます割りには、自分は主人公の役に立ってないと思って他のキャラに八つ当たりします。
また、喧嘩を吹っ掛けたり嫌味を言った後も攻略キャラには死んでも詫びず、寧ろ煽ってガソリン投下してくる始末です。
※「喧嘩はやめて」と言う主人公には素直に謝ります。
個人的に、都は仲間はおろか友達にすらなりたくないタイプです。
それなのに、作中ではモブの女の子達にキャーキャー言われるほどモテます…ワケワカメ。
歴代の黒龍の巫女は皆良い子だったのに…どうしてこうなった(´・ω・`)
本人は主人公守っているつもりみたいですが、
「お前の態度が一番主人公の敵作っとるわボケがぁ!!(# ゚Д゚)」と言ってやりたくなります。
また、主人公が強く物を言うタイプではない代わりに、都が「主人公は私が守るから他の奴はどうでもいい」とか
「嫌な出ていけ」と周囲のキャラに辛く当たるので、
都の言動=それを黙認してるから主人公も同意見…みたいな空気になっていまっているのが、とてもモヤモヤしました。
都が絡むと、他のキャラと円滑にコミュニケーションを築けないのが本当に嫌でした。
一番致命的なのは、都√が友情エンドに見えない事です。
過去作でも藤姫や朔など、女同士の友情シナリオを描いていました。
ですが、上記二人はほのぼのとしていたので、あの距離感なら友情エンドと言って良いと思います。
ですが、今作の都と主人公の距離感が明らかに友情を超えてしますし、
制作側も意図して二人を同性愛的な描写をしているっぽくて嫌でした。
何と言いますか…「都の見た目は男っぽいんだから、別に良いでしょ?」みたいな、
乙女ゲープレイヤーを馬鹿にしている感じがしてモヤッとします。
「女性同士のいちゃつきシーン作りたいなら、百合ゲー作ってそっちでやれや(# ゚Д゚)」
とどうしても思ってしまいます。
そういった展開を求める購買層が明らかに違うでしょ。
今作は主人公のゆきちゃんが批判されがちですが、都は実は製作者の代弁者 or 分身的存在かかと思ってしまう程に場違い感があるキャラです。
ゲームのパッケージに都が居ないのも何だか騙された感がありますし、
下手に見た目は男っぽいのが批判から逃げてる感じがして印象がよくないです。
最近別会社でも堂々と同性愛描写入れて炎上した乙女ゲームがあったみたいですね…歴史は繰り返す
モチーフにした偉人に対して敬意が感じられない ※ネタバレ注意
こういう事を書くと「何百回も色々なゲームで登場している織田信長はどうなるんだ」と思われそうですが
あくまで私が知る範囲ですが、織田信長はラスボスキャラだったり主役級だったりと、
有名な偉人らしい扱いは受けていると思います。(たぶん)
遥か3も源平合戦がモチーフですが、逸話を元に各キャラの見せ場としてきちんと描いていた印象です。
ですが、今作は色々ツッコみ所が多くありまして…
- 土佐弁ではなく標準語で会話する坂本龍馬さん。
- 情報屋の癖に侍らせてる癖に、女性の名前を憶えていない桜智さん
- 参謀キャラなのに「お前、面白い女だな」的なことを言って主人公を口説く小松帯刀
- 個別√になるとセクハラ親父と化す高杉さん
- 肺結核が風邪レベルだった沖田さん
- 主人公を口説くチャラ男と化した土方歳三さん
など…「幕末の人物に何か恨みでもあるの?」と思ってしまうキャラ設定になっています
個人的に土佐弁じゃない龍馬さんは他ゲーでもいるから500歩譲るとして、
桜智さんと土方さんは、特別ファンじゃない私でも「この描写は酷くない?」と思ってしまいました。
桜智さんは特に酷く、メインシナリオ内で桜智さんの取り巻きの一人が主人公を恨んで敵の間者になっていた事が判明します。
仲間内では「無責任に侍らせていた桜智さんが悪い」という結論になるんですが…
桜智さんが好きな方居たら大変申し訳ありませんが…桜智さん、シンプルにクズじゃないですか?
イケメンだったらクズ行為してもOK……んな訳あるかいっ!!顔が良くてもクズはクズじゃい!(# ゚Д゚)
それを「他の女に靡かずに、主人公に一途な桜智さん(はぁと)」的なノリでやってるのが薄ら寒かったです。
一人の人間としても、たくさんの女性を侍らせておいて名前すら覚えてないのは最低だし、
「主人公以外の女に興味ないから」的な事言ってますが、
「情報屋なんだから、近寄ってくる女の素性くらい少しは調べて警戒しておけや!仕事しろ!!(# ゚Д゚)」としか思えませんでした。
また、龍馬さん√では龍馬さんが何故主人公を知っているかの説明が全体的にふわっとしていて説得力が無かったり、
エンディングでは平和になった現代で「坂本龍馬とかwww親何考えて名前付けたのwww」とか陰口言うモブを入れてくる辺り、
死んでも攻略キャラ達を誉めないという製作者側の鉄の意志を感じました…。
攻略キャラdisるモブ入れて誰が喜ぶんでしょうね。
エンディングなのに気分悪いしすごく不快でした(# ゚Д゚)
今作の感想
全体的な印象
この作品でやりたかった事は何となく伝わります。
四神の封印を解いても世界は救われない、星の一族との関係性、時空を飛ぶにはデメリットがあるなど、
今までの遥かシリーズであった「当たり前」を否定して作品を作っている節があります。
なので、序盤のかったるい過去作のコピペみたいな話展開も、
今までの遥かシリーズの展開をひっくり返す前振りだったのか!と思い密かに期待しました。
ですが…蓋を開けてみれば、待っていたのは主人公サイドに共感出来ないシナリオ、そして雑な恋愛描写。
主人公の命を代償にして時空に飛んでも全く悲壮感や感動が無いなど…全体的ガッカリの一言に尽きるシナリオでした。
また、始終チラつく制作者サイドの乙女ゲーに対する偏見が本当にノイズでした。
具体的に、制作側がどういった偏見を持っている様に感じたかと言うと…
- 主人公はガワ(見た目)さえ可愛いければ良い
- とにかく登場人物と攻略キャラは主人公を無条件でチヤホヤすれば良い
- 話の脈絡が無くてもイケメンとイチャイチャさせれば良い
- ゲームシステムや戦闘パートの劣化なんて誰も気にしない
こんな調子で、乙女ゲー…というか遥かシリーズを1つでもプレイした事がある方なら
「いやいや」とツッコみを入れたくなる描写をバンバン入れてきます。
「妄想だ!」と言われてしまえばそれまでですが、描写の節々が乙女ゲープレイヤーを
舐めてるというか…寧ろ馬鹿にしているのかとさえ思ってしまいます。
何と言いますか…「よくしらないけどぼくがいめーじするおとめげーむ」のまま今作を作ってしまった…煽り抜きで本当にそんな印象です。
肝心な攻略キャラとのシナリオは史実を上辺だけなぞったものばかりです。
主人公が攻略キャラ達の未来をどう変えるのか?という点もドラマ性がなく、
攻略キャラは主人公の添え物感があって、各キャラを攻略しても特別愛着が湧きませんでした。
遥かシリーズは各キャラ何かしら印象的なシーンがあったものですが、今作は「結局何してたんだっけ?」と思い出せないキャラばかりでした。
文句ばかり書いてますが、攻略キャラのデザインや作品のテーマ自体は良かったと思います。
個人的に、遥か3では龍神の鱗さえ持っていればノーリスクで時空に飛んでいたので、
今作はきちんとデメリットを付けたのは素直に「おぉ…!」と感心しました。
全体的に「今まで遥かシリーズの様に、京の世界だけ救う or 敵を倒せばそれで終わりの単純な話にはしないぞ!」という意気込みは感じました。
ですが…比較画像も上げましたが、明らかに遥か4に比べると、今作は1本のゲームとしてクオリティが3段階くらい落ちています。
何だかんだ長く視界に入る戦闘画面が「テストプレイ用かな?」ってレベルで酷いです。
また、「命」をテーマにしているのに悲壮感はなく、世界の危機なのに八葉達は主人公の取り合いしていて緊張感もありません。
今作はキャラデザは良かっただけに、本当に残念です(´・ω・`)
「これはちょっと…」って言える人いなかったんですかね…。
ネットでは主人公の性格が叩かれていて、その気持ちも分からなくはないです。
ですが、今作の問題は主人公の性格ではなく、
制作側がやりたい描写以外(ゲームシステムや操作性など)で、
作品への情熱や愛情が微塵も感じられないのが一番の問題だと思います。
せっかく遥か4でポリゴンに挑戦したんですし、紙芝居みたいになっても良いから
近年のテイルズ系やアトリエ系みたいな、3Dでキャラ達が移動したり会話出来るように挑戦して欲しかったと思いました。
というか、
- 幕末が舞台
- 主人公の命が運命を変える代償
- 新選組や攘夷組が攻略出来る
- 遥かシリーズのナンバリング
という、遥かシリーズ新規の方も入り易そうな、面白そうな要素しかないのに…どうして中身がこうなった(;^ω^)
どんな良質な食材でも、調理がダメだと全てダメになる事が良く分かるゲームでした。
ちゃんと作っていれば、遥か3と並ぶ人気作になりそうだっただけに…本当に残念な作品です。( ノД`)
遥かなる時空の中で5はどんな人におすすめか
個人的には相当暇じゃない限りはオススメはしませんが…一応書いておきます(;^ω^)
- 主人公の性格にこだわりが無い人
- 逆ハーレム系のシナリオが好きな方
- 幕末時代の歴史に詳しい方
- 綺麗なスチルが出てくるゲームをプレイしたい方
- シナリオが長いゲームが好きな方
全体的には良くないですが、スチルの質は今までの遥かシリーズと変わらないので、
スチル目的ならギリギリ楽しめる…かも?
まとめ
あまりにもネット上で主人公が叩かれているので、どんだけやねんと思ってプレイしたら…一部がダメじゃなくて全部ダメでした
遥か6をDX版をやろうか、PSP系列をやろうか悩み中です。
Switch版の追加要素にそれほど惹かれないので、PSPでプレイするかもしれません。
その前に、続編である「遥かなる時空の中で5 風花記」をプレイしてみようと思います。
…怖いなぁ(;´Д`)
それではっ!